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続「アグー」について考えてみよう。 [日常。]

皆さんは「アグー」ってご存知ですか?

最近は沖縄だけでなく内地でも、意外と飲食店のメニューにあるかもしれません。
ただ・・・きっとどれもそれなりのお値段がするはず。

琉球在来黒豚「アグー」の原種は14世紀頃、琉球(沖縄)に渡って来たと言われる程
歴史のある、とても希少価値の高い豚だからです。

絶滅の危機に瀕していた「アグー」ですが、多くの方々のご尽力で
現在陽の目を見ることができる状態となっています。

ただ、そこには色々な・・・問題があるのです。
是非、その問題を多くの方々に知って頂きたいと思い、今回長文ですがエントリします。
読んで頂いて、ご興味を持たれたり、お考えがある場合はコメント頂ければと思います。

 

 

okifood003.JPG


年明け、mixi仲間のてんもりさんのBlogにアップされた記事。

「「アグー」について考えてみよう」
http://tenmori.exblog.jp/10162451/

読ませてもらって、色々個人的に感じたことがあり、調べてみることにした。
まずてんもりさんのBlogを読んで頂いてから、こちらに目を通して頂きたい。


Blogでは、基本的に「青空放牧豚」山本大五郎さんの投稿文を元に書かれている。
であれば、今回は逆の立場である「JAおきなわ」に対して聞いてみることにした。


お話を聞かせて頂いた先は、JAおきなわの関連会社「(株)沖縄県食肉センター」。

こちらのサイトには、「あぐーとは?」という紹介がある。

http://pig-osc.jp/modules/tinyd3/

基本的にはこれに沿った形でお話頂いた。
まずはその歴史について。


戦後、生産性や食糧難などの問題で琉球在来の「アグー」は
外国産の豚に取って代わられる。
日本ではランドレース(L)、大ヨークシャー(W)、デュロック(D)、バークシャー(B)が
代表的で、これらを掛け合わせて様々な豚が飼育されているという。

http://www.shijou.metro.tokyo.jp/syokuniku/kisotisiki_01_01.html

沖縄から消えたかと思われた「アグー」。

しかし当時名護博物館の館長だった島袋正瓶さんを中心に
北部農林高校の太田先生や農協(JA)が協力し個体数を増やす為の努力が行われた。
※山本大五郎さんのお話だと、名護宏明さんという方もご尽力されたとのこと。


ただ当初は、生産性が低く且つ肉質が異なる「アグー」には畜産農家も消極的だった。
お話によると「アグー」は白豚に比べると脂身が多く身が少ない。
これは即ち「売れる部分が少ない」ことになり、その価値も下がってしまう。
昨今のヘルシー志向もあって、あの「脂」が敬遠されていたという。

またその他にも、外来豚に比べ産出数が少なく(3~4頭程度)飼育にも時間がかかり
生産コストに見合うだけの利益を上げることが困難であり、なかなか普及しなかったらしい。


そんな中、平成8年にJAは「あぐー」の商標登録を行う。

http://www2.ipdl.inpit.go.jp/beginner_tm/TM_DETAIL_FRAME.cgi?3&1&1233137413523347

そして「ブランド」として売り出すことになる。

決定的だったのは「どっちの料理ショー」で紹介されてからだと言う。
ここから一気に「ブランド」が急上昇し、沖縄では「アグー」の看板が目立つようになる。

 

「アグーブーム」に対してJAは自らの商標権を元に、対策に出る。

琉球新報「「あぐー」ブランド化へ JAおきなわ推進協発足」

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-28228-storytopic-4.html

ここには・・・

*********************************

沖縄の在来種である豚「あぐー」の増産や生産管理体制の強化を図る
「JAおきなわ銘柄豚推進協議会」を食肉関連業者などと発足させた。
JAが商標登録している「あぐー」銘柄を適切に管理し、生産から
流通までの体制を関係者が協力して整備することで、肉質の向上とともに
ブランド化の推進を図り、県内外への販路拡大を目指す。

琉球新報 2007年10月20日記事より

*********************************

とある。


お話を聞かせて頂いた「(株)沖縄県食肉センター」によると
「アグー」のブランド化により、多くの畜産農家や販売店から「アグー」が
「乱売」されるようになったという。

果たしてどれが本当の「アグー」なのか。

「ブランド」の失墜を危惧したJAおきなわを中心に、同評議会は発足する。


まず「あぐー」と「アグー」の違い。
商標権を持つ同評議会は以下の通りに取り決めをした。

「あぐー」・・・食肉及び加工品を指す
「アグー」・・・生きた豚のことを指す

そして「あぐー」や「アグー」の定義を定める。
全てを詳しくお聞きする事が出来なかったが、以下のような定義が含まれるという。

・琉球在来豚『あぐー』の血液(雄方)50%以上を有する
・配合飼料(残飯などは使用しないもの)を使い生育した豚
・沖縄県内で飼育されている豚


更に同評議会は、上記の定義を元に各生産(会社)者と使用許諾契約を結ぶ。
2009年1月現在、下記の会社が契約を結んだ生産(会社)者。

・(株)沖縄県食肉センター
・(有)我那覇畜産
・(株)那覇ミート
・沖縄畜産興業(株)
・(株)がんじゅう

「JAおきなわ銘柄豚推進協議会」としては、上記の会社以外から出荷された
「あぐー」は商標権に違反するということで認められない、とのこと。


また基本的に同評議会が取りまとめる形で「あぐー」の生産、流通、販売が
管理されているという。

「ブランド」としての生産数や品質の管理は勿論。
流通・販売先に関しても各会社のバッティングがないように、取り決めがなされている。
例えばA社が生産した「あぐー」はX百貨店に、
B社が生産したものはY精肉店に、という形で。

そして出荷実績に応じて、各各生産(会社)者は「JAおきなわ銘柄豚推進協議会」に
ロイヤリティを支払う。
こういったビジネスモデルが、既に出来上がっているのである。

基本的には、同協議会と協議の上で基準を満たすものに関しては今後も
使用許諾を認めるという。
ただし、不特定に増やすことはブランド力の低下を招く恐れもあり、慎重に進めるとのこと。

 

昨年12月13日、「JAおきなわ銘柄豚推進協議会」は琉球新報、沖縄タイムスという
県を代表する2紙に広告を出した、下記にリンクを貼ります(PDFなので注意!)

http://pig-osc.jp/modules/bulletin/article.php?storyid=4


商標取得から同協議会の設置、そして広告。
更に「(株)沖縄県食肉センター」に伺った内容からまとめてみると
一連の流れは下記の目的を持っている。


・「あぐー」というブランドの更なる確立
・生産性の向上と品質の管理
・流通の管理及び適正化
・「ブランド」価格の維持とその囲い込み



ここからは個人的な意見を。

てんもりさんのBlogに記載のある、琉球在来豚アグー「青空放牧豚」山本大五郎さんや、
てんもりさんのご意見に全面的に賛同したい。


同協議会による「あぐー」の定義は、明らかに「アグー」自体の「種の保存」という
意味合いでなく「利益を生み出せる商品」としての定義でしかないと思う。

「雄方50%以上」ということは、実際は「アグー」のハーフでしかない。
これを「あぐー」と呼び、商標の契約を行っていない畜産農家の「アグー」を一切認めない。
これは商標権の乱用ではないのか?

商標権には下記のような制限がある。


*********************************

一般第三者の利益を考慮した制限

登録商標を構成する文字、図形、記号、立体的形状等のうちで商品又は役務について
取引上普通に使用されているもの、又はその性質上広く一般に使用を認めるべきもので
ある場合に、形式的に商標権の範囲に入ることをもって一般の使用を禁止することは
社会一般の利益に反することになります。

そこで、商標法は、このようなものについては商標権の効力を制限することとしています
(第26条)

http://www.jpo.go.jp/seido/s_shouhyou/shotoha.htm

特許庁ホームページより

*********************************


商標権やネットのドメインについては、昨今多くの問題を抱えている。
「早い者勝ち」の状態が続いており、決して公平ではない。


また品質についても問題があるだろう。
ハーフではない、より純度の高い「アグー」の品質と比べてみたらどうだろうか。
それでも「あぐー」と呼べるのだろうか?


流通・販売についても、抜け駆けを許さない「談合・カルテルもどき」が
行われているのでは?という気がしてならない。

抱え込むということは、大きくなればなるほどに中身が「ブラックボックス」になる。
制度化することを悪いことだとはいわないが、ただオープンに出来なければそれは
結果的にどこかに歪みを生み、結局誰かが損をする。

何が「真実」で、何が「嘘」なのか。
力を持ったものが自らの権力を振りかざし、
「嘘」を「真実」に変えようとしているとしか思えない。

「ブランド」にするならば、もっと違うやり方があるのでは?
努力している畜産農家が皆、喜べる形を作り出す事だって出来るはず。

そしてその喜びは、最終的には消費者に繋がる。
消費者はもっと情報を得る努力をし、考え、利口にならなければ損をするだろう。
ズルイことを考える人間は、もしかしたらそれ以上に頭を使っているのだから。



今回、色々と調べてみて、聞いてみて個人的に思ったこと。
「今を生きる」しか、世の中ないんだろうか?
もちろん「今を生きる」ことは大切だし、
自分自身が今大きなことを言えない立場なのは理解してる。

でもその場しのぎのやり方じゃ、最後は目に見えているのではないだろうか。
その「バランス」をキチンと考えられるように、行動できるように。


最後に、「(株)沖縄県食肉センター」のご担当者様(お名前は伏せます)。
非常に熱心に色々とお話を聞かせて頂きました、本当にありがとうございました。
もしお時間があったら直接ご説明差し上げても、との申し入れもあったぐらいです。
非常に真面目に「アグー」についてお考えになり、頑張ってらっしゃるんだなと感じました。

だからこそ、もっといい方法があるのではないか、と思うのです。


皆さんも是非考えてみてください。
もし「アグー」を口にする機会があったら、今回の話を思い出してみて下さい。

「無関心」は、未来の自分や我々の子供達に対して「罪」だと思います。 

皆さんはどう思いますか?

 

 


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